WB工法の原理

WB工法の原理

衣替えする家、通気断熱WB工法はどのような考えの元に造られているか。
冬の困った結露の原因や、うわさのホルムアルデヒドについて…
など、住宅についてまじめにお考えのあなたに詳しくお教えします!

家の呼吸とは

「通気断熱」という言葉は、聞きなれず理解しにくい言葉だと思います。
しかし、この原理を理解していただかなければ、現代住宅が病んでいる
新築病(シックハウス症候群)の改善と解決はできず、高気密住宅、
パネル気密住宅による家の早期腐朽と各個室にこもった臭い、化学物質、
多湿によるムンとした暖かさ等、最悪な部屋の環境条件を改善することはできません。
人間は呼吸し、大変な水分を必要とし、発散しています。臭いも同様です。
その人間が家に住むのですから、「家の呼吸」が絶対条件であることも十分に理解して
いただかなくてはなりません。 そこで勘違いをしないでいただきたいことは、私の家は
高気密だけど換気システム(強制換気)を取り入れているので、家が呼吸しているという考え方です。
それば間違いであり、強制換気とは病の人に取り付けてある生命維持装置であるということです。

通気断熱の原理

暖かさと快適さを求めるために私達人間は衣服に吸湿性の高い綿、羊毛を選び、
寒ければ重ね着をし、暑ければ脱ぎ、風通しを良くしています。
蒸し暑くて汗をかけば下着が汗を吸い取って発散させるというように、ごく自然に行っています。
家には人間が住むわけですから、家も人間と同様に汗をかきます。
家に対しても人間とまったく同じ考え方をすることが通気断熱の原点です。
極寒の地から灼熱の地まで、人は下着に綿を使い、汗を吸い取り、寒ければシャツ、
毛糸のセーター、上着、コートと重ね着をして温かさを保ちながら皮膚呼吸を行っています。
通気断熱とは、この重ね着の原理なのです。 最近の省エネ断熱により、高断熱という
冬布団に高気密というビニールかっぱまで着せ、目張りまでしてしまったのがパネル高気密住宅であり、
高気密・高断熱住宅なのです。

WB工法の原理

WB工法とは、家にセーターを着せたり脱がせたりする方法です。
では、どのようにして着せたり脱がせたりするのでしょうか。
まず、家を人に置き換えてみると、家にとって下着とは部屋の壁です。
壁には下地材、仕上げ材があり、これが家の下着なのです。
この下着を合板気密、ビニールクロスという気密素材で仕上げてしまっているのが現在の住宅です。
皮膚呼吸のできない状態となり、結露、新築病の原因となっています。
壁の中にはどんな家にも空気層があります。その空気層が重ね着のセーターなのです。
では、どのようにして寒ければ着て、暑ければ脱ぐのでしょうか。
壁の中は通常120mmの空間があります。
地域によって違いますが50~70mmの断熱材(ウレタン板)を外壁につけて入れます。
これを外断熱と言います。残された空間がセーターの重ね着部分です。
この空気層が寒くなったら通気が止まり、毛糸のような保温層となり、
暑くなったら開放してシャツ1枚の状態とし、焼け込みを追い出す冷却層になります。
外気温度の変化によって自由に閉鎖・開放するので、半袖シャツから毛糸のセーターへと自動的に重ね着していくのです。

家創りの重要ポイント

  1. 家が呼吸できる構造とする
  2. 部屋が呼吸のできる素材を選択する。
  3. 二重通気層とし、通気層と主断熱を区分する。
  4. 外壁層は木陰の原理、内壁層は呼吸する重ね着の原理。
  5. 冬は真横から冷えるのではなく、
    床下から屋根への風の流れと湿度が部屋を冷やしているので、その通気制御が重要。
  6. 夏の暑さは高気密により断熱したのでなく、逆に蓄熱したためであり、
    床から屋根への通気開放制御が重要。
  7. 地熱は冬夏同じであり、その熱利用がポイント。
  8. 大気、自然の湿度は酸素と同じ大切なものであり、通風があれば害はない。
  9. 呼吸のしない気密住宅にこもった湿度(生活水)は最悪であり、万病の元。
    平面計画は間取りの使い勝手だけではなく、家全体の冬の温かさ、夏の涼しさを求めることにより自然の温度差が利用できる。
  10. 温度差を縮めるため、部屋に空気対流扇「省エネ君ヨドマーズ」、吹き抜けにシーリングファンは必需品。
  11. 換気は排気のみとする。強制換気システムは最悪条件となり万病の元。
窒息住宅の原因

家全体を合板パネルで囲い、湿気に弱い合板をビニールで包む気密住宅の作り方(2×4、プレハブ合板構造)は家が吸放湿せず、窒息住宅となってしまいます。
家の蒸れ腐れ、窓やフローリングの結露、カビ・ダニ、化学物質(ホルムアルデヒド)の高濃度、これらが新築病(シックハウス症候群)を引き起こしているのです。
それでは、その恐ろしい窒息住宅はどうして造られてしまったのでしょうか。
30年ほど前までは家が呼吸をしている塗り壁(真壁)の造りでした。
それから徐々に応壁(おうかべ)になり始め、25年ぐらい前から気密材のビニールクロス、化粧合板が登場、ほぼ90%の住宅で使用するようになり、部屋の気密と窒息が始まったのです。
ちょうどこの頃からプレハブによる合板パネル住宅が工事現場の仮設事務所から変身し、化粧を施し住宅として売り出され、大変な戸数となってきたのです。
日本は多湿であるため、湿度の高い温かさに慣れており、健康に悪いことに気づかず30年が経過してきたのですが、最近になってどうもおかしいと思うようになったのです。
現在、その答えが家の蒸れ腐れ、結露、カビ・ダニ、化学物質(ホルムアルデヒド)の高濃度など最悪の条件が家の中に蔓延しているのです。

呼吸通気層の取り方と使用材

呼吸通気層の取り方と使用材の図のように透湿素材を適材適所に使い分け、家の床から屋根に至るまで万遍なく空気を行きわたらせ、なおかつ第1空気層と第2空気層を造ることが重要です。
これで家、各個室とも人が生活をし、水分を発散させ湿度を上げても壁が吸湿してくれます。
部屋の中は冬37~55%と快適な湿度となり、家および部屋が呼吸を始めます。
通気断熱WB工法は空気の流れを下から上へ障害のないようにし、もともとある空気層を重ね着の原理に基づき順番に順序良く並べることにより呼吸する家となるのです。

蒸れ腐れの原因

蒸れ腐れは空気が淀み酸素の欠乏により、腐敗菌の発生が原因で始まります。
木材は強いもので多少濡れても通気(風通し)が良く呼吸ができれば蒸れ・腐れはありません。
現在起きている家の蒸れ・腐れは温かさを求めるため、高気密という間違った方法で求めてしまったからです。
昔の合板は防腐・防虫のため、ホルマリンが多く使われてきました。
気密によって呼吸ができなくても、ホルマリン漬けの合板は10年、15年は耐えられたのですが、最近そのホルマリンが問題になり始め、新築病(シックハウス症候群)の原因とされています。防腐・防虫の濃度を下げるのも良いですが、はたして防腐・防虫の効果が悪くなって良いのでしょうか。
虫は必ず食います。また、今まで10年、15年最悪の条件の中でも耐えていた合板も半分の命になってしまうでしょう。
ホルマリンに代わる殺虫農薬を使用すれば、何年か後に新たな病気で住む人を脅かすでしょう。
公庫基準の中に床下防湿をし土間コンクリートを打てば床下の換気孔がなくとも地面から湿気が上がらないので良いとされていますが、あまりにも単純な発想です。
部屋の中の湿気は重く、夜露のごとく床に降りて下にたまるのです。
「通気断熱」だと、床下から屋根へ抜けるため、家全体に空気が行き渡り、家の蒸れ・腐れがなくなり、家が呼吸できるのです。

蒸れ・腐れの解決法

各所に熱感知式形状記憶合金の自動開閉装置を取り付けることにより、夏は開放となり、壁の中が煙突状態となり、自然対流を起こし、床下の冷えた空気が吸い上げられ、部屋を直射熱から防ぎ、冷却します。
上記のように、冬は各所が閉鎖され、第1、第2空気層が保温層となり、部屋を温かく包みます。
人体から出た水分を壁が吸い、壁の中へ入って壁の中が蒸れてしまうと思う人が多いと思いますが、家は40坪で3tの吸湿能力をもっています。
4人家族で1日6リットルとしても、500日は吸湿する能力が家にはあるのです。
また、通気を止めると言っても微量の通気はあります。冬の寒さは蒸れ腐れが少ないのです。
寒さも暑さも外から中へ、中から外へ徐々に和らげることが結露を防止し、蒸れ腐れを防ぐ重ね着の原理、つまり通気断熱なのです。

冬寒く、夏蒸し暑い原因

家の冷えと蒸し暑さには熱伝導により寒さと暑さが忍び寄り、部屋の熱を打ち消し、また蓄熱していく状態と、体感温度のように風速と湿度によって熱を奪い、温度を下げていく状態と2通りあります。
家を冬温かくするために今までを熱伝導率ばかり考えて工事を行ってきましたが、体感温度の風速と湿度に対して無策だったのです。
この風速と湿度は熱伝導率の数倍も家を冷やしていたのです。
また、夏涼しくするために断熱材を入れ空気層を殺して外気の焼け込みを止めようとしてきました。
それが、反対に熱伝導により蓄熱してしまっていたのです。このようなことが冬夏を通し実験した結果わかりました。
高気密にした家は、パネル気密住宅も2×4も在来木造住宅もまったく同じです。
冬にはコーヒーメーカーのフラスコのように、夏は石焼鍋の具のような状態となります。家の中は湿度の高い蒸し温かさ、蒸し暑さだけではありません。
前記のように蒸れ腐れ、結露、カビ・ダニ、化学物質などが蔓延し、新築病(シックハウス症候群)といった新たな病気が生まれてしまったのです。
これに対応するには強制ファンにより部屋の空気を入れ替えるより他に方法がないのです。これが換気システムです。

「冬寒く、夏蒸し暑い」解決法

生活様式の変化とともに、温かさが必要以上求められるようになり、住む人の健康を害する家の造りとなってしまったのです。
では、どのようにすれば健康を保ちながら温かさを求めることができるのでしょうか。
それは、意外と簡単なことなのです。前記(図9)のように家には冷えるポイントと焼け込むポイントがあります。
従来行われている断熱方法(図9)は壁、天井に無造作に断熱材を押し込んできました。
しかし、「家が寒く、蒸し暑い原因」のようにあまり効果がなかったのです。
そこで断熱材と通気層を整然とし、図7・8のように並べ、冬の冷え込みに対しては部屋の熱を奪っていく通気層を閉じて保温層とし、夏の焼け込みに対しては太陽の直射を受け、家全体と部屋が受熱し熱を蓄熱しないように通気道を開放することにより、自然に起きる対流によって熱を放出する冷却層としました。
この方法によって家はビニールを貼ることなく人が皮膚呼吸をしながら温かさと涼しさを求めている重ね着の状態となったのです。

結露ができる原因

結露は急激な温度の差と多湿によって加速され水滴となって付着します。
物体(材質)は鉄、ガラス、ビニールのように透湿性がなく、熱伝導率の高い材料に激しく起こります。
住宅を気密にする考え方は外の湿気を家の中に入れないで結露を防ごうとしていますが、まったく反対だったのです。
家の中には大変な水分が毎日発散され、その水分が気密住宅の中にこもり、80%、90%の湿度になってしまっているのです。
まず材木に打った釘、通気が殺された壁の中、空気が淀んだ押入れの中、部屋に置かれたタンスの裏、極端な場合は床のフローリング、小屋裏の断熱材などさまざまです。
この結露現象は冬だけでなく夏にも起きています。これを「逆結露」といいます。家を気密にし熱を抱え込む冬向きの家を造ったため、冷房なしでは住めない家となり、1日中冷房をするため冬と夏とが逆転したのです。
8畳の部屋を造り実験してみました。部屋の壁にビニールクロスを貼って高気密にし、暖房をしてその前に濡れタオルを干したところ、窓に水滴が流れ始め、床のカーペットは湿り、腰が下ろせない状態となり、一部カーペットの張ってない下地コンパネに打ってある釘の周りがびっしょり濡れています。
一晩中暖房をしても干したタオルは乾かないまま手で絞れば水が出る状態です。湿度は89%になっています。
温度は床で20度、天井で24度もありながら、寒く中にはいられない状態となり、下着まで湿ってしまったのです。温度を上げ、床で22度、天井で29度になると頭が重く体がだるく、やはり部屋にいられない状態となります。
ビニール貼りによる高気密が湿度を上げ、さまざまな所に結露となっていることがよくお分かりと思います。
このようにビニールによる気密を家丸ごとしてしまうのが合板パネル気密であり、高気密高断熱住宅なのです。

 

結露の解決法

寒い地方の人は冬の長靴を思い浮かべてください。昔の長靴はゴムで内側に布もありませんでした。
それが布が貼られるようになり、今はスポンジが入っています。これは、スポンジが温かいのではなく汗をかかないからなのです。
昔のゴム長をはいていると、外の雨水は入ってきませんが、足がびっしょりに濡れてしまいます。
スポンジの入った長靴は、スポンジの気泡に湿度が吸い取られ歩くたびに上に出て濡れずに快適です。
また、雨の日にビニールの雨ガッパを着て仕事をしていると下着までびっしょり濡れてしまう経験は誰でもあると思います。これも長靴と同じなのです。
このように結露の起きる原因がはっきりしてくると、意外と簡単に結露はなくなるのです。
「結露が起きる原因」(図11)の試験を今度は壁の仕上げを吸放湿する布クロスで仕上げで実験をしてみました。
結露はゼロで、温度が床で20度でも寒くなく、前に行ったように22度にしても温かく快適です。
部屋の中に洗濯物を干しても、部屋の湿度は50%以上にはならず一夜でほとんど乾いています。
家を吸放湿する素材で仕上げ、断熱を外断熱とし、内壁層を作り、冬は冷え過ぎないよう微量の呼吸をさせ、夏は大量の通気を通し大きな呼吸をさせることにより、冬も夏も結露がなくなります。

化学物質がこもる原因

化学物質は文化生活の中ではありとあらゆる物(商品)から発生されており、またその商品は文化生活は必需品です。
またその商品は文化生活には必需品です。大変やっかいなことですが、劇薬のような物でなくジワジワと出てくるので部屋にこもらない家の造りをすれば良いのです。
住宅にこもる化学物質の中で、新築病(シックハウス症候群)を引き起こしている物質が主にホルムアルデヒドです。
このホルムアルデヒドは40%の水溶性でホルマリンとなります。 ホルマリンは物を腐らせない、虫を寄せつけない、接着力を強化するなどの効果があるため、
合板や接着剤など大半の家造りで使われるようになり、建築資材のほとんどに使われています。
今、そのホルマリンが悪者にされ、建物、家具等から消されようとしています。虫が出れば薬品を使い、害を及ぼせば追放し、また他の薬品を使い、新たな病気が生まれる。
そのたびに多額のお金を投資した家が蒸れ腐れ、虫に食われ、次には住む人が病気になってしまう。
それも10年、20年を経てやっと原因が分かる。犠牲者(モルモット)は私達なのです。 家造りを安易に考え、合板パネルによりタッパーのような家を造ってしまったことが始まりです。
「プレハブ(合板パネル住宅)は地震に強く気密が良いので温かい」といった売り込みがなされ、気密による省エネ基準までも作ってしまいました。
また、その後を追って健康な日本住宅にもビニールをかぶせ、目張りまでしてしまったのです。このような経過を振り返ってみると、ホルマリンが悪いのではありません。
ホルマリンは温かくなった家を蒸れ腐れ、害虫から守ってきたのです。また、今後も守っていかなければ得体の知れない化学物質が使われることになるのではないでしょうか。
昔からホルマリンはありとあらゆる所で使われています。昔の家には新築病はなかったのです。
化学物質がこもる原因は骨のない家造り、合板パネル住宅による高気密から始まり、太い骨のある家にもすっぽりビニールをかぶせ目張りまでして高気密にしてしまった家の造り方にあるのです。

 

化学物質の解決法

建材、家具などに使われたホルマリンはほんの微量ずつ温かになるにつれ揮発して出てきます。
それが新築または家具を入れた時から一番多く出るのは3~5年と言われています。
家を高気密という容器の造りにしてしまうと、揮発して出てきたホルムアルデヒドは部屋の中に充満してしまうのです。
また、家全体が高気密なので、壁の中、床下、小屋裏などに充満しています。
寒くなると壁・床・天井に付着し、温かくなると、また空気中に出るのです。高気密にした家はこの繰り返しです。

室内環境悪化の原因とその解決

 室内環境の悪化は人が住むことによって始まります。化学物質がこもっても、人が住まなければ問題にはなりません。水分も室内には出ません。
家を建てる以上、人が住むことが当然であり、住むために家を造るのです。これは当たり前であるがために忘れられているのではないでしょうか。
これまでに述べた1)窒息住宅の原因、2)家の蒸れ腐れの原因、3)冬寒く夏蒸し暑い原因、4)結露がする原因、5)化学物質がこもる原因の5つは住宅環境悪化の5箇条です。
その一つ一つが深い関連・関係にあることは既に述べた通りです。
喉元過ぎれば熱さ忘れる、そんな諺が現在の家造りの発想であり、住宅環境なのです。
冬に結露して大変な思いをしても、春になり開放的な生活になると忘れ、部屋に熱がこもり、夏の蒸し暑さをエアコンに頼り、足腰・関節が痛いと言いつつ一日中冷房を入れなければ住めなくなっています。
秋が来て、また開放的な生活になるため忘れてしまう。現在の家造り、住宅環境は春と秋によって救われているのではないでしょうか。
室内の環境悪化の原因にはまだ沢山あります。人が生活をしていくためには日常の用具、芳香剤、防虫剤などあげればきりがありません。
よく高気密住宅の売り文句の中にいろいろな機械を取り付け換気計算により安全だという言い方があります。
マイナス40度に住む人が羊毛に毛皮を重ね着するのに換気計算をして着るでしょうか。
家という大きな建物になると人が住むことを忘れ、容器の考え方をしてしまい、機械を取り付けることが健康住宅であり、高級住宅だと思わせてしまっているのが現在の住宅産業の実態です。
取り付けられてしまった機械から新たな問題が山積みされています。
設備の償却、ランニングコスト、機械に付着した結露、ホコリ、カビ、ダニ、臭い、化学物質など住む人の負担となり解決しなければならないのが現状です。
製造物責任法(PL法)が施行されているにもかかわらず、公的機関までもが高気密による省エネを認知しています。
これによって住宅産業全体が右を向き、皆で赤信号を渡っているのです。 呼吸をする家を造ることが環境悪化の解決になります。

本当の省エネ断熱とは


1番の省エネは寒ければ衣服を着て、暑ければ脱ぎ、日陰に入ってウチワであおって体感温度を下げることです。こんな単純なことで省エネはできるのです。 私の知る限り、昭和35年頃までの家には大変なスキ間がありました。昭和40年頃から家が気密化を始め、少しずつ温かな家となってきたのです。左図のように家の造りは真壁工法から応壁工法へと変わり、直接風雨にさらされていた柱と土壁の痛みを守るようにした結果、家は自然に気密になっていったのです。この頃まではモルタル大壁と真壁(土壁)の間に通気があり、気密になった割合に冬寒い家でした。また、外の雨戸も木製からアルミ建具が出始め、家は一段と気密になりましたが、壁の中に上がる空気を止めると家が蒸れ腐ってしまうので、その通気を止めることはタブーだったのです。これまで壁の中の空気を止めることは建物にとってタブーだったのですが、それをいとも簡単にプレハブは通気を止めて殺してしまったのです。鉄骨は錆に弱いため、湿度から鉄骨の柱を守るためビニールを貼り、合板による気密住宅としてしまったのです。その結果家が温かくなったのです。 しかし、結露はひどく大変な状態となり、公庫基準では木造住宅の耐久年数が25年であるにもかかわらず、気密住宅の場合、築15~18年で蒸れ腐りが始まり、軽量鉄骨住宅では30年であるにもかかわらず、柱は錆び、壁の中は蒸れ腐れとなってしまっているのです。 また図17の在来木造住宅は壁の中に断熱材を入れても壁の中に通気が上がっているため、プレハブと同じような造りをしながら冬寒く、在来工法の家は寒いというレッテルを貼られてしまったのです。 このように家の造りが変わり、温かさの追求が一層激しくなっていきました。誰もが家を気密にすることにより、温かさが求められると思ってしまったのです。 家の善し悪しは15~20年経たなければ分からず、今その結果が家の蒸れ腐れ、新築病となって吹き出し始めているのです。 それにもかかわらず、在来木造住宅はプレハブのマネをし、通気を殺し、家全体にビニールを貼り、高気密住宅としてしまったのです。アメリカ、カナダから輸入されている2×4もまったく同じであり、窒息住宅です。 高気密にした家は結露がひどくカビやダニ、化学物質など住めない家になってしまったため、強制的に外の冷たい空気を入れ、部屋の温かい空気を出すので、省エネになるはずがありません。 家のスキ間をふさぎ、温かさを部屋に閉じ込めたところまでは良かったのですが、湿気も臭いも化学物質も部屋の中に閉じ込めることとなり、住む人が病気になってしまい、強制換気したのです。強制換気ではあまり聞いたイメージが良くないので、換気システムと命名し、健康を訴え始めたのですが、既に述べた通り、機械設備費の償却、24時間365日の運転経費、機械の寿命、修理費、温かな空気を追い出し外の冷たい空気を入れるためその熱のロスなど、膨大な無駄が発生しています。 間接的には気密による結露、化学物質、カビ・ダニによる病気の治療費、家の蒸れ・腐れによる営繕費などを計算してみてください。省エネどころか「浪エネ住宅」なのです。 ちなみに高気密住宅の工法で(強制換気の能力によって違いますが)、まぁまぁ住める状態で45坪の家で冬は最低1ヶ月300リットルの灯油を使います。夏は熱がこもるためエアコンがなくては住めず、エアコンの運転も大変なものです。 高気密とは対照的に家に呼吸をさせ、重ね着の通気断熱WB工法だと、結露はせず化学物質もこもらず(0.08ppm以下)、臭いもなく、灯油の消費量は150リットル以下です。夏は熱が部屋にこもらず、常に自然に冷却しているので、長野市などではエアコンなしでも過ごせます。本当の省エネ断熱とは、家が呼吸する通気断熱WB工法なのです。

長期耐久と地震対策

高耐久については柱の太さ120mm角以上などの公庫基準はあります。しかし、長期耐久となれば何も基準がないのが現状です。基準を作ることができないのです。50年、100年という年月の経過と住む人の使い方にもよります。 今までの公庫基準の中でも最も矛盾していることは100年以上現存している木造建築の歴史を認めることなく、軽量鉄骨造りの合板パネル気密住宅を30年の耐用年数で長期にわたり融資し、木造建築は25年なのです。 ところが、軽量鉄骨気密住宅は15年、18年で家は蒸れ腐れが進んでいます。また、省エネ基準では家を高気密にすることにより、その気密の数値が良いほど省エネ住宅と認定しています。 家には人が住み大変な水分を発散させます。そのため、部屋は最悪な状態となり、人は病気になってしまい、住めなくなっています。そのため、強制換気を取り付けるのですが、省エネどころか浪エネになってしまっています。それでも気密の数値が省エネ基準なのです。気密にした家は蒸れ腐れが早く、呼吸している家の1/3から1/4の寿命です。4)結露で記した通り、合板パネルは地震に強くとも気密により家が多湿となり、合板を止めている釘が結露し、合板が蒸れ腐ってしまったのでは、ただ寄りかけた板に過ぎません。長期耐久と地震対策は密接な関係にあります。 合板を打ち付け、ジャッキで引っ張って実験をし、強い弱いと言っているのではあまりにも単純であり、何千万円もの投資をする施主にとって、安全と経済的リスクが大きすぎるのではないでしょうか。 家の造りが変わり初めて35年、目先のことだけにとらわれ、寒ければ気密にし、蒸し暑ければ冷房を入れ、病気になれば強制換気をし、家が腐れば寿命といって片づけ、強制換気によって弊害が出れば高い機械を作って売りつける-。これが今まで歩んできた住宅産業の実態なのです。長期耐久とは、新築した強度が長期(50年、100年単位)にわたり維持し、住む人の安全と経済を守ることなのです。 新築時の強度計算はパネルであれ筋違いであれ建築基準法に基づき設計士が計算をし、建築指導課が確認しているのです。自社の家を優位に宣伝するあまりに、一つのことだけを強調しすぎて、他の欠点、悪いところを隠しているような気がしてなりません。